施設の運営理念

地域との連携を密にし、労働や共同生活を通じて、その人らしい社会生活が送れるようにする。そのためには、個々が抱えている障がいに対して十分配慮すべきであり、かつ、医療、福祉、教育が結合、統合された特別療育生活施設として機能すべきであると考える。

基本方針

1、利用者第一主義

2、社会参加へのチャレンジ

3、地域との連携

4、支援者の資質向上

5、快適な生活の保障


三気の里の紹介

施設長より

★ 目 次 ★

はじめに

療育技法

生活について

作業について

地域交流について


◎ はじめに

「三気の里」の開設趣旨は、自閉性障がいを持つ人のために、療育(治療教育)法の研究模索 入所者に健康で明るいのんびりとした暮らしの場を提供することである。 療育と生活は切り離すことができない。しかしながら、園生1人1人が確かに生きた証しとして、 障がいにどのように取り組んで来たかは、施設の大切な使命である。 計画−指導−評価は療育の分野であるが、ゆったりとした暮らしとマッチさせなければならない。 そこで障がいのことについて触れておきたい。

知的機能の働きが明らかに悪い

適応機能が明らかに悪い

社会復帰(ハビリテーション)には重篤な状態である。

注:自閉性障がいの診断基準に「知的機能の働きが明らかに悪い」という項目はないが、「三気の里」で処遇する 入所者は「知的機能の障がい」も状態像として捉えている。

上記のような障がい特徴があっても、日々の暮らしの中でのんびりと暮らしていくために次の3点が少しでも改善される必要がある。

人とのやりとりができる(コミュニケーション)

自分をコントロールできる(自己コントロール)

人と一緒に暮らせる(不適応行動の是正と軽減)


◎ 療育方針

入所者一人一人の精神的意欲を育てる治療教育を行う

入所者の特殊な癖やこだわりや不適応行動等にとらわれることなく、成長発達して行く一人の人間としてとらえ、 本人の成長を促すのに今一番大切な問題をとらえ目標を設定する。入所者の方針を決めるに当たり、担当だけが考える のでなく、当該入所者に関わる全ての人の意見を聞き、十分なデータを集めて保護者をはじめとして、指導員、保母、 医師、看護婦、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語療法士)など、必要とあらばあらゆる人の知恵と技術 を出し合って、方針を決定する。担当や特定の人がその園生を理解し関わるだけでなく、その入所者に関わる全ての人 が方針を理解し関わる。

入所者は「人として生きる」こと

社会生活を営む一員として、日常生活の躾を身につけ、自分のことは自分でできるようになる。 仕事をするときは、指示に従い一所懸命に仕事をする。 暇なときは、掃除、洗濯、買い物、レジャー、レクレーションなど余暇を有効に楽しむ。

職員は社会人として、常識と責任を持って行動する。

理解能力と表現能力に重大な障がいがある発達障がい者を対象としているため、入所者の気持ちと行動を感知しうる 集中力を身につけ、入所者の感性を理解し、入所者を一人の人間として接するよう心がける。 職員は、常に障がいについての知識と技術を自己研鑽する意欲をもち続け、入所者一人一人の持つ障がいをどこまでも 理解する。職員同士礼節を守り、社会人としての生活態度や考え方を成長させようとする意欲をもち続ける。


療育技法

◎三気方式

三気の里では、@人とやり取りが出来る力(コミュニケーション能力)、A自分をコントロールできる力 (自己コントロール能力)、B人と一緒に暮らせる(不適応行動の是正と軽減)事、を療育の基本方針としています。 何気ない日常生活そのものが課題となり得る彼らとの生活は、具体的な関わりを通してこそ、安心感や充実し た毎日を送る事ができていくようです。また、利用者を療育方法に合わせ当てはめていくのではなく、療育方法を 一つの媒体と捉え、利用者の状況に応じて組み合わせを図っています。

(三気の里:動作法・薬物療法・音楽療法、三気の家:ダイナミックリズム ・個別概念指導・ことばの療育)。

<肩押さえ>

椅子に腰掛けた人が、立ち上がろうとする瞬間に肩をちょっと押さえると立ち上がれなくなります。 肩を押さえ るのがちょっと遅れても、ひざが伸びきる前や立ち上がる行動がスピードが乗る前だったら 肩を押さえることによ って立ち上がり行動を押さえることができます。 同じように逃げ出し行動も逃げ出そうとする行動が起きる瞬間ですと止めることが容易にできます。 このような方法を「肩押さえ」といいます。言葉賭けでも表情でも可能です。しかし、行動が起きてしまうと「肩押さ え」のタイミングでは止めることができません。行動が起きてしまった場合はストップを使います。


<ストップ>

間違った動き(行動)を止めることをいいます。止めた時押し戻す程度の力で止めることではありません。止まった状態 で釣り合っている状態です。そして止める力を抜いても止まっている状態を作ることを言います。間違った動きを止めるだ けです。動作ですと引っ張って釣り合っている状態もありますが、ストップは向き合っている状態を示します。引っ張るの は力の加減が難しいからです。言葉かけの場合も間違った行動を止めるだけです。表情でも同じです。このストップを使う 時の力加減や言葉かけは動作法を行う時の感じと同じです。


<尻押し>

人が躊躇している時にちょっと尻を押してあげることで前に進めることがあります。 また、部屋の入り口で入ろうかどう しようか迷っている時に、肩をぽんと押してあげると中へ入れることがあります。 このような援助を尻押しと言います。 作業の手が止まって声かけを待っている状態で声かけをすれば、作業の手が動き出す場合は「尻押し」といいます。1つ1つ 声かけをしないと動かない人に声かけすることも「尻押し」と言います。


<促し(後押し)>

止まっている行動を正しい方向(行動)へ導くことをいいます。動作、言葉かけや表情であったりします。 力加減で言う と「ちょっと押し出す」感じです。引っ張る感じではありません。ストップとプッシュは一対で使います。間違った行動が頻 発する、すなわち本人が正しい行動が分からない、したくない時に、正しい行動に方向付けすることを言います。ストップ で一旦間違った行動を止め、何もしないで止まっている状態を一旦作り、プッシュで正しい方向(行動)へ促すことです。 ここで大事なことは、指導者は少し自分のほうへ 一旦引き寄せる感じで押します。動作だと分かりやすいのですが、言葉か けだとやさしい言葉かけや 激励の言葉かけを入れます。当然表情は少し緊張を解きます。


<ブロック>

指導者が意図した以外の利用者の行動を全てストップをかけた状態をいいます。 正しい行動の方向だけが空いている状態 で、正しい行動をする以外には逃げ道がない状態を 指導者が意図的に作っている場面を言います。 当然正しい方向にはプッ シュをします。


<仰臥位姿勢の保持>

自閉症者の問題の多くは、自分を取り巻いている環境からの刺激(情報)を上手にキャッチして、うまく処理して、理 解する能力が悪いことからきていることが多い。「仰臥位姿勢の保持」は指導者の意図を利用者に伝え、利用者が意図を受 け止める。利用者が意図を伝え、指導者がその意図を受け止めることを指導する方法として用いている。指導者と利用者と の相互間のやり取りを可能にし、やり取りを通してコミュニケーション能力を高めていくのである。結果として情緒の安定 を図るものである。知的レベルでは、最も初期の運動感覚レベル、身体意識では基本になる身体像を手掛かりとして行う。

すなわち、仰臥位姿勢でのコミュニケーションは、

誰と誰がコミュニケーションしようとしているのか?→指導者と利用者本人

何をコミュニケーションしようとしているのか?→利用者が体全体や体の部分の力を指導者の意図に沿って抜く。

コミュニケーションの媒体となる手段は指導者と利用者が触れている体の力の強弱である。すなわち体を動かすことによる 身体内部からの感覚刺激、筋肉の収縮に伴う筋感筋刺激 それに身体表面からの触覚刺激である。それに言葉を用いる。

★方法★
☆ねかせの形

本人(利用者)が仰臥位で静かにしておれる。

☆技術

肩おさえ、尻押し、ストップ、プッシュ、ブロック等、動作法から学んだ技法を用いる。 それに最小限度の言葉かけ である。

☆時間

仰臥位ができてから10分ぐらい。

☆使う時

本人がパニック時のような混乱をしている時、激しく指示に抵抗している時、こだわりが激しくてこだわりに突進 しようとするのを止めに入って防ぎ難い時など、指導者がどうしようもないと感じた時。

☆置き換え

困った行動が生じた時、その場での課題を一旦中断し、課題の置き換えを行い、その後元の課題(正しい行動)に向かわせ る。置き換える課題は、容易にできるものへの置き換え・好きな課題への置き換え・少し苦手な課題への置き換え

☆動作法

具体的な特定の動作を課題として与えて、遂行と制御によって障がいの特徴が変化するよう自己制御を促す援助法。動作法は、 脳性マヒ児の動作不自由の改善を目的として開発されてきた動作訓練を他の障がい児に適用する場合の方法と理論を指している。


生活の場

三気の里は、自閉性障がいを持つ人のために、健康で明るいのんびりとした暮らしの場を提供しています。健康で明るくのんび りとした生活は、身の回りのことが苦もなくできることを基盤として成り立ちます。また、一人一人が生きがいを見出してい くことが生活をより豊かにします。生活場面での指導は、1対1で根気よく続けることが重要です。介助から援助へそして自 立へと将来を見通した一貫した指導が必要になります。

人として生きる(こんな人になってほしい、生活指導の目標)

社会生活を営む一員として、日常生活のスキルを身につけ、自分のことは自分でできるようになる。 暇なときには、掃除、洗濯、買い物、レジャー、レクレーションなど、余暇を有効に楽しむ。

生活の自立へ(生活指導の内容)

健康管理

日常の管理を通して利用者が自ら健康を保てるよう指導する(静養できる)。健康診断(内科・歯科)予防接種(日本脳炎・ インフルエンザ)検査(尿・ぎょう虫)などを通して、通院及び診察がスムーズに受けられるようになる。

基本的生活習慣

身辺処理の自立は社会生活をする上での不可欠条件である。日常生活を通して随時きめ細やかな指導をする。(起床、布団た たみと片付け、衣服の着脱と調節、洗面、歯磨き、爪切り、散髪、髭剃り、食事、排泄、入浴、就寝)

社会性の養成

礼儀正しく、約束事を守り、公共物の保全に協力し、園内および地域の行事に積極的に参加する。(毎月の外出訓練、宿泊訓 練、登山訓練、買い物訓練)

余暇の活用

個々にあった有意義な過ごし方を教える。何をするにしてもはじめは課題設定をして訓練として取り組むが、いろいろなこと を学習することで好きな課題を自分で選択し余暇時間に落ち着いて過ごせるようになる。

学習指導

教科学習を通してより豊かな人間形成を目指す。(数量、読み書き)

技能指導

掃除(雑巾を洗う、絞る、拭く)、洗濯(洗濯機の手順、洗剤の適量、干す、取り込む、たたむ、片付ける)、裁縫(針と糸 、ミシン)、料理(刃物、火気使用)、食器洗い

生きがい

さまざまな学習・訓練を通して、学ぶこと、楽しむことを知り、個々を尊重した暮らしの中でそれぞれが見出していくもの。


はたらく場

三気の里では、基本的に全利用者が作業に従事することを目標に作業指導を行っています。一人一人のペースは違ってもでき る範囲内での頑張りを引き出していきます。勿論、すぐに作業の流れに乗れない人もいますが、その作業ができるようになる まで必要に応じて教材を使った個別指導を行い段階を踏んで指導していきます。また、<働く=体を動かす>ということから 生活習慣の改善を図り、働くことを通して受容コミュニケーションと自己コントロールの力をつけていきます。

こんな人になってほしい 〜作業指導の目標〜

時間一杯頑張れる人になる

与えられた仕事を丁寧に確実にできる人になる

人とペースを合わせられる人になる

はたらく意識と意欲のために 〜作業指導の内容〜

ルールの統一

始めと終わりを明確にする

厳しい訓練の時間であるから、他の時間と明確に区切り、めりはりをつける。特に終わりが分からないと、いつまで続くのか 分からない不安な状態にしてしまったり、いつまでも引きずったり、その場でなく後で混乱してしまうこともあります。[終 わり]にしたときに訓練したことを納得していることも大切です。


地域交流支援

● 地域支援

地域で生活する在宅障がい者(自閉症)及びその家族に対する療育相談や具体的療育活動、それに伴うシ ョートステイの受け入れを中心に支援活動を行っています。また、本人や家族だけでなく、取り巻く環境 に携わる団体及び療育者を含めた協力体制を確立し、トータルでの支援を行っていくことを目指しています。

● 療育相談

相談依頼→電話での聞き取り→具体的アドバイス→事後の状況調査→来園面接(保護者,本人)→体制決定 ショートステイ (短期入所)

ショートステイの受け入れは件数は年々増え続けています。 ショートステイのご希望の方は、末尾連絡先の地域交流支援科までご連絡ください。 ショートステイ依頼→聞き取り(新規は来園面接,再利用は聞き取り)

● 地域交流

三気の里が所在する森地区、大津南小、大津町を中心として、行事参加やボランティア活動等で交流活動を行って います。利用者及び職員が地域の方々とのより広い交流を目指しています。

地域行事

4R白川(リサイクル活動)、大津南小交流会、グランドゴルフ

施設行事

夏祭り、開園記念祭、地域交流ミニバレー大会、もちつき、森地区子供会交流

その他、施設内の見学や体育館および図書・パソコンの利用についても受け入れておりますので、お気軽にお立ち寄りください。